スポーツを通じて地域コミュニティづくり「NPO法人みなとみらいクラブ」

スポーツを通じて地域コミュニティづくり「NPO法人みなとみらいクラブ」の写真

みなとみらい21地区に拠点を構える企業や団体の皆様に、直接街の魅力をご紹介いただくことで、このエリアで働くことの魅力に迫る企画。 今回は、NPO法人みなとみらいクラブを取材しました。

―みなとみらいクラブとは

みなとみらいクラブは、スポーツを通じた人間の成長や地域コミュニティづくりを進める、横浜市西区を拠点にした総合型地域スポーツクラブ(※)です。
横浜市立みなとみらい本町小学校の学校開放の仕組みを活用し、放課後や学校が休みの時間帯に、みなとみらいで働く人や地区内外の子どもなど、さまざまな人がスポーツを楽しみにこの場所にやってきます。

河部さん.jpg特定非営利活動法人みなとみらいクラブ
理事長 河部 誠一さん

発起人の一人である河部誠一(特定非営利活動法人みなとみらいクラブ 理事長)さんのもと仲間が集い、「スポーツ文化活動を通じて子どもがのびのびと育ち、大人も気軽に参加し、真剣にスポーツに打ち込めるような環境づくり」を目指して2018年8月22日にNPO法人化。設立後1年も経たないうちに、ジュニア・ユース・大人向けの3つのプログラムには地域内外の約370人もの会員が登録しています。

ジュニアアスリート.jpg ジュニアプログラム 「ジュニアアスリート」
※みなとみらいクラブのホームページより
バドミントン.jpg 大人向けプログラム
※みなとみらいクラブのホームページより

ジュニアプログラムは未就学児から小学校6年生までが対象で、スポーツ種目に関係なく基礎運動能力を高めるための「ジュニアアスリート・プログラム」、種目に特化した「ジュニアスポーツ・プログラム」の2コース。野球・サッカー・バスケットボール・バレーボールの4種がそろい、中にはプロトレーナーの本格的な指導を受けることができる種目もあり、人気の秘訣となっています。
ユースプログラムは主に中学生・高校生を対象に現在バスケットボールのプログラムがあります。学校に部活動がない、学校の部活動に加えてもっとバスケットボールをしたい・学びたい、そんな中学生・高校生のためのプログラムです。
大人向けプログラムでは、平日夜にバスケットボール4団体・バドミントン3団体・バレーボール3団体が活動し、みなとみらい地区及び周辺の企業で働く人たちが仕事終わりに汗を流す光景が頻繁に見られます。

※総合型地域スポーツクラブは、人々が、身近な地域でスポ-ツに親しむことのできる新しいタイプのスポーツクラブで、子供から高齢者まで(多世代)、様々なスポーツを愛好する人々が(多種目)、初心者からトップレベルまで、それぞれの志向・レベルに合わせて参加できる(多志向)、という特徴を持ち、地域住民により自主的・主体的に運営されるスポーツクラブです。我が国における総合型地域スポーツクラブは、平成7年度から育成が開始され、平成29年7月には、創設準備中を含め3,580クラブが育成され、それぞれの地域において、スポーツの振興やスポーツを通じた地域づくりなどに向けた多様な活動を展開し、地域スポーツの担い手としての役割や地域コミュニティの核としての役割を果たしています。


(スポーツ庁HPより)

みなとみらい本町小学校の学校開放

みなとみらい本町小学校.jpgみなとみらい本町小学校

調査によると2018年度、みなとみらい21地区の来街者数は8,300万人、事業所数は1,800、就業者数は10万人でした。この結果が示す通り「ビジネスの街」「観光の街」というイメージが強いのですが、高層マンションも立ち並び約9,000人の人々が暮らす「生活の街」という側面も持っています。

高層マンションの影響で子どもの数が増えることが見込まれ、平成30年4月みなとみらい21地区に10年間の期間限定でみなとみらい本町小学校が設立されました。西区で新設された小学校は、実に62年ぶりとなりました。
ESD教育(持続可能な開発のための教育)を推進するなど、教育面でも注目されているみなとみらい本町小学校は、教育方針の中で地域との接点を大切にしていることが窺えます。その一環として学校開放にも取り組み、地域スポーツ拠点の立ち上げを目指す河部さんと学校の出会いを経て、みなとみらいクラブの設立に至りました。

都会の中で育む新しいコミュニティ

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取材に訪れた木曜日はMMCバスケットボール(大人向けバスケットボール)の活動日で、みなとみらい21地区内に就業する約20人の方々がミニゲームなどで汗を流していました。みなとみらいクラブは団体会員のほか、個人でも会員になれます。会社や年齢の垣根なく参加できるため、参加者は「誰でも気軽に参加できる雰囲気が良い」「仕事の息抜きにもなっている」「他の企業の人ともコミュニケーションがとれるので楽しい」と口々に話してくれました。

働いた後に地区外へ帰宅する人が多い中、オフィスビルが立ち並ぶみなとみらい21地区にスポーツができる環境が整っていることは、地区内で働く企業の社員にとって新たな仲間のできる憩いの場となっているようです。
また今年、みなとみらいクラブとしては初の試みとなる「みなとみらいバスケットボールリーグ」を開催。
みなとみらい21地区の企業3チームと有志1チームの計4チームが参加し、コートの中で熱い真剣勝負が繰り広げられました。

参加者.jpg MMCバスケットボールの参加者のみなさん

地域内外の人々をつなぐ交流拠点

みなとみらいクラブ.jpg

 みなとみらいクラブは団体設立趣旨として【スポーツを通じた人の健全育成と地域コミュニティの活性化、さらには事業に携わる人たちの成長】を掲げています。「スポーツにはそういう力があると思います」と話す河部さん。スポーツ関係の雑誌の出版やバレーボールの指導者として、スポーツの現場に身を置いているからこそスポーツが持つ力を実感しているのでしょう。

 地域コミュニティを作るためには、その拠点となる場所が不可欠です。みなとみらいクラブにとってみなとみらい本町小学校を使用できるということは大変重要なポイントですが、みなとみらい本町小学校は10年という期間限定の運営。「ここがなくなると、活動拠点がなくなってしまう。みなとみらいの地域コミュニティをつくるには、物理的な拠点があることも大切。これからもっといろいろなところと連携してやっていきたいと思っています」と話します。そして河部さんは「将来的には将棋や囲碁など、スポーツだけでなく文化活動も取り入れたい」と、みなとみらいクラブの未来を語りました。
地域に開かれた学校と連携しつつ、地区内外からやってくる子どもたちや企業に勤める社員、地域住人などが、スポーツを通じて仲間を見つけることができる場所が、みなとみらい21地区の一角にありました。

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みなとみらいクラブの活動には、どなたでも気軽に参加できます。
詳しくはホームページで。

特定非営利活動法人みなとみらいクラブ
http://www.minatomirai.org/