企業紹介インタビュー【京浜急行電鉄株式会社】

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みなとみらい21地区に事務所を構える企業の皆様に、直接街の魅力をご紹介いただくことで、このエリアで働くことの魅力に迫るインタビュー企画。

今回は、これからみなとみらい21地区へやってくる京浜急行電鉄株式会社様に本社機能を泉岳寺から横浜へ移転する理由、またみなとみらいの地に期待することなどたっぷりとお話を伺いました。

お話を伺ったのは京浜急行電鉄株式会社総務部総務課(本社移転専任チーム)課長補佐 飯島学さんと、広報部報道課主査 金子貢平さんのお二人です。

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(左)広報部報道課主査 金子貢平さん  (右)総務部総務課(本社移転専任チーム)課長補佐 飯島学さん

都市生活のインフラを支える企業

Q. 横浜に暮らす方々にとっては、お馴染みの企業様ではありますが、  改めまして、御社の事業内容を教えてください。

IMG_8010.jpg金子さん:
まず当社のはじまりについてご紹介させてください。
京浜急行電鉄の前進となる大師電気鉄道が、1898(明治31)年2月25日に創立しまして、関東では初、全国でも三番目となる電気鉄道事業者として川崎の地でスタートしております。
以降は、交通事業を中心に、不動産、レジャー・サービス、流通事業などを行う"都市生活のインフラ"を支える企業へと成長してまいりました。
最近では、都市近郊リゾートとしての三浦半島の魅力化に取り組んだり、横浜市と横浜市立大学と当社で産学官連携による空き家利活用プロジェクトを金沢区でスタートさせたり、海外ではインドネシアでのマンション事業など、さまざまな分野で事業を行なっております。
また、今年の2018年は当社が創立から120周年にあたることから、120周年事業としてさまざまな取り組みを行っています。今回の横浜・みなとみらい21地区に予定しております「(仮称)京急グループ本社ビル」の本社機能の移転も、その記念事業の1つとなります。

東京から横浜、横浜から三浦半島。2つの線路が結ばれた結節点としての横浜

Q. なるほど、記念事業の1つでもあるんですね。   それでは、横浜みなとみらい21地区を移転の地として選んだ理由を教えてください。

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飯島さん:
横浜の地を選ばせていただいた理由としては大きく2つございます。
1つ目は、当社の創業の歴史を紐解く必要がございます。元々、川崎大師で創業した大師電気鉄道は、参拝客を運ぶという使命だけでなく、東京と横浜を結ぶ鉄道を作りたいという創業者の想いからはじまっております。
みなさまご存知の通り、新橋から横浜までが日本で最初の鉄道が開通した場所ですが、その東京・横浜間を蒸気機関車ではなく、電気鉄道を走らせようと生まれた企業なんです。
走り始めてすぐ、翌年に名前を京浜電気鉄道と改めていることも、横浜の地を舞台にした、鉄道会社であることがわかるかと思います。
その後,京浜電気鉄道は、現在当社の事業エリアである三浦半島方面へ,横浜から浦賀間、金沢八景から湘南逗子間をつなぐ湘南電気鉄道と、1931(昭和6)年に接続を致しました。東京から横浜を結ぶ京浜電気鉄道と、横浜から三浦半島をつなぐ湘南電気鉄道とが"横浜"という地で1つになる。当社京浜急行電鉄にとって、歴史的に非常に重要な土地でもある横浜の地に、この度本社機能を構えるということは、我々にとっても大変意味のあることだと思っています。

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(仮称)京急グループ本社ビル 完成イメージ 提供:大成建設株式会社

もう1つの大きな理由としては、やはり横浜という街のポテンシャルということになりますでしょうか。当社は交通事業を主体に、都市生活産業としてレジャーや流通など、さまざまな事業を行なってまいりました。一方で,当社に限らず,これから人口減少や高齢化といった社会的な課題に対しても、立ち向かっていける事業基盤を作っていくことが求められております。 そのような状況の中で、当社の強みでもある品川と羽田という日本・世界の大きな玄関口である2つの主要ターミナルを通じて,豊かな沿線を実現していく必要があります。その為にも、京急線の中心に位置している横浜に,司令塔となる新しい拠点を設けることは、当社としても必然と言えるのかもしれません。

歴史ある車両が横浜へ里帰りするミュージアムも

Q. 大きなストーリーの中での、今回の本社機能の移転なのですね。現在建設工事中のビルですが、どんな建物なのでしょうか?また、建設にあたりどのようなコンセプトがあるのでしょうか?

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飯島さん:
地下一階、地上18階で高さが約85mのビルとなります。ここにグループ企業10数社、社員数1,200名ほどが集う予定です。ビル自体の大きなコンセプトとしましては大きく分けて、4つです。

1つ目は、みなとみらいに調和するデザイン。みなとみらいエリアマネジメントの皆さまにもご指導いただきながら、街の景観に調和するデザインを設計しています。三方向のどちらから見ても表と裏という見え方のしない穏やかな曲面をもつデザインとなっています。また、当社のこだわりとしては縦に伸びるスリットが特徴となっています。横浜への移転を機に、未来へ向かってさらに躍進していこうという想いを形にしています。

京急エリアジオラマ.jpg 「京急ミュージアム(仮称)」 京急ヒストリー1.jpg展示予定の京急デハ230形236号

2つ目は、賑わい。みなとみらいという街に我々が居を構えさせていただく上で、この街に京急が持つ120年の歴史とその魅力を伝える場として「京急ミュージアム(仮称)」を計画しています。この横浜という地で、湘南電気鉄道と京浜電気鉄道とが結ばれたのですが、その2つの鉄道が繋がった時に走っていた実物の車両を1両、展示する予定です。埼玉県川口市にあります川口市科学館の公園で保存展示されていた車両を譲り受けまして、修復後に再び横浜・みなとみらいへ舞い戻る、里帰りの形になります。こちらは、鉄道ファンの皆さまにも喜んでいただけるのではないでしょうか。その他にも電車の運転シミュレーターや、沿線を再現したジオラマなども展示を予定しております。

3つ目は安心安全。みなとみらいを選ばせていただいた理由もそうですが、このまちが災害に強いということです。地盤改良による液状化防止対策や、高潮・津波対策に加えて、災害用給水タンクなどさまざまな災害対策がまち全体に施されています。なお、今回当社の本社ビルには免震構造を採用し、より地震に強い建物を建設いたします。

4つ目はエコロジーで,一部自然・再生可能エネルギー設備や省エネ設備も導入予定です。
環境やBCP(Business Continuity Plan)対策がしっかりと出来ていることが、都市インフラを担う当社としても重要な役割として考えています。

その他にも、認可保育園を併設して地域の方々へ貢献していくほか,当社のオフィスとして働く人たちが,活き活きと活躍できる空間、体制づくりを進めています。

みなとみらいの街との京急との繋がりづくり

Q. いよいよ来年完成ですね。現在の社員の皆さんの反応はいかがでしょうか?

京急シーバス.jpg 京急カラーのシーバス【仮囲い3】.jpg 仮囲いアート【仮囲い2】.jpg

飯島さん:
まだ、建設途中ですので、実際に移転してみないとわかりませんが(笑)、みんなワクワクしているのではないでしょうか。グループ企業が一同に介することで、共創も生まれやすくなりますし、さまざまな面で効率化も図られることでしょう。横浜は商業的にも、ビジネス的にも賑わいのある街、ここから新しい歴史を京急グループとしても築いていけることを、我々も本当に楽しみにしています。

金子さん:
京急沿線の中でも、中心となる横浜に本社を移すことで、品川から三浦、そして羽田などアクセスが良くなりますから、業務的にも活動しやすくなるのではと個人的には期待をしております。 現在、みなとみらいを走るシーバスを京急カラーの赤にして走らせていただいていますが、これから、みなとみらいで働くみなさん、暮らすみなさんとも連携しながら、我々も少しずつ街に貢献出来るようになれたらと思います。

飯島さん:
これは1つのプロジェクトとして行なっているのですが、建設中にビルの仮囲いにさまざまな京急に関わるイラストを描いております。こちらのプロジェクトは、ともすれば殺風景な景色になってしまう工事中も、この街で働き暮らす皆さんが、当社のことやここに出来る新しい建物について少しでも興味を持っていただいたり、これからの街の変化を楽しんでいただけたらいいなと思っています。一緒になって、この街を作っていくといいますか。先日は現場の方々のアイデアで、小学校の子どもたちに七夕の短冊を書いてもらって、それを囲いの上に展示させていただきました。そういう意味では、すでに街との繋がりは始まっているところですね。

みなとみらいの先輩企業の皆さまとも、いろいろな形でご指導いただきながら、当社としましても何か街に寄与できるように取り組んでいけたらと思います。

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― 来年の本社移転、本当に楽しみですね。
  私たちも首を長くしてお待ちしております。今日はお忙しいところ、お時間ありがとうございました!